ロサンゼルスはレイカーズの街です。
それは当たり前のことです。レイカーズは、セルティックスに次ぐリーグ2番目の優勝回数16回を誇り、ジェリーウェストやマジックジョンソン、コービーブライアントなど数多くのレジェンドを輩出してきました。

一方、クリッパーズは優勝どころかカンファレンスファイナルに出たこともなく、ブレイクグリフィンが加入する以前は長年、ドアマットチームとして認知されてきました。更に弱いだけではなく、元オーナーのドナルドスターリングはケチで差別主義者であり、選手にとって地獄のような環境を作るオーナーとして認知され、実際にエルジンベイラー元GMから労働訴訟を提起されています。
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そのため、クリッパーズは常に、レイカーズの影のような存在でした。
しかしそれも変わるかもしれません。
クリッパーズは、現在、チームをブルーカラーや労働者階級の人々のチームにしようとしています。これがL.A. Our Wayという広告戦略です。

スティーブバルマー現オーナーは、前オーナーが差別主義者であり、黒人差別発言でリーグから追放されてしまったというフランチャイズのイメージの一新を試みており、就任以来、有色人種のコミュニティに数百万ドルの寄付を行っています。その他、LA中のバスケットコートの改修やアリーナ建設中のイングルウッド地域への支援なども行っています。
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クリッパーズはレイカーズより魅力面で上回ることはできませんが、労働者階級のLAの人々の生活を改善することに関しては、レイカーズを上回ろうとしています。まさに「裏方の人々」を代表するフランチャイズになる道を歩んでいるのです。
奇しくも、コロナウィルスによるパンデミックは、ロサンゼルスなどの都市部の不平等を露呈させ、深化させ、その危機の重荷は貧困層や労働者階級のコミュニティ、特に有色人種のコミュニティに担わされています。このような状況下で、優勝できれば、クリッパーズは彼らにとって希望となり、一気に彼らにとってのフランチャイズになる可能性があります。
L.A. Our Wayキャンペーンを実施した会社、バッテリーエージェンシーのウェブサイトによると、クリッパーズは「ロサンゼルス文化の真の代表者」になろうとしています。このような背景を知ったうえで下の彼らの動画を見て下さい。
ほら、あなたもクリッパーズファンになったでしょう?
We are more than a team.We are a movement.
“俺たちはチームという概念それ以上なんだ。俺たちはムーブメントなんだ。”
<参考記事:THE CLIPPERS’ BIG CHANCE>